青年の終止符

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稀代は料理が好きで、ご飯などを作っているとよく手伝ってくれる しかし、稀代はなぜかスイーツ類しか作れない 一般的な料理をすると、なぜだか消失してしまう 「そういえばお兄ちゃん 勉強しないといけないんじゃ……」 「ん?…あぁ、大丈夫、お兄ちゃんは凄いからな 就職なんてちょちょいのちょいだ」 「就職?学校には行かないの?」 「思い出ならたくさんできたしな、それにお兄ちゃんは働きたいんだ」 べつに就職をしなくても家計が苦しくなるわけではない 母は死ぬ時、莫大な財産を残した 母にはなぜか肉親がおらず、親戚も少なかった 葬式があった日も、そんなに人も集まらなかった 不思議な人ばっかりだったが…… そんな財産をホイホイと使いたくなかった俺は、結構収入の良い所に行くことになった 運良くも、近くにそんな会社があったのだ 「さて、今日のお昼はなにがいいかな?」 言い忘れていたが、今日は休日である でなきゃこんなに家でのんびりしているわけないだろう? 「ん~……うどんがいい!」 「渋いような気がするが…… よしよし、作ってやるぞ」 うどんの麺はなかったので、買い出しに行くことにした 作ることも可能だったが、そうなると時間が掛かってしまう 「それじゃ、買ってくるから留守番してろよ」 「うん!いってらっしゃい」 そして俺は、家を出た
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