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「ァ……!!」
声にならない叫び声があがる
痛みに耐えながらも、胸に刺さった剣の持ち主を確認するために首を後ろに回す
しかしその瞬間、胸に刺さった剣が抜かれ、傷口から大量の血が吹き出る
意識は朦朧とし、それでも犯人を確認するために振り返る
太陽に照らされ光る眼鏡と、闇に包まれ光を失ったかのような目だけが視界に入り、そこで、意識が途切れた
―…に……ゃん……
何かが聞こえる…
―おに……ゃん…!
これは……弟の声…
「お兄ちゃん!!」
目が開く
真っ先に確認できたのは、泣き叫ぶ稀代の顔
あの時、母が死んだ時と同じ
そして次に身体を襲う激痛
その痛みで声もでない
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
どうやら担架かなにかで運ばれているようだ
結構なスピードで進んでいる
白衣に身を包んだ人達が何かを叫びながら担架を運んでいた
何を叫んでいるのかは、聞き取れない
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