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車を止め外に出る。結局また来てしまった。右のポケットを触り、指輪の入ったケースがあることを確認し車のドアを閉めた。やっと食べれるぞ。自分の高まる緊張とは裏腹に店内は静まり返っている。月を隠す雲がぼんやりと光る。
カランコロン。店に入ると前と同じ店員がいた。
「いらっしゃいませ。現在品切れで、申し訳有りませんがお肉を使った料理は提供できません」
「えー、食べれないのー。……もういいよ、帰る」
肉はないのか。これじゃ何でここに来たのか分かんねえよ。くっそ。ここ一週間ろくなもん食べてねえのに。肉……肉…………あ、あるじゃーん
「一名様でお願いします」
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