02*azuki

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隣のクラスのサトが、休み時間、いつものようにオレんとこにやってきた。 「よ」 「…おう」 「なにやってんの」 「別に。 つうか、おまえはなんで休み時間のたんびにここに来るわけ」 オレが言いながら、机に突っ伏していた上半身を起こすと、 「べっつにー」 と、サトが教室内を見渡す。 そして目的のものが見つかったのかはわからないが、そのままオレに「あ」と視線を戻した。 「そう言えばさ、徳丸がおまえの彼女んこと気に入ってるっぽい」 「へえ」 「やる?」 「うーん…」 「金はないけど、ソフトならあいつ、結構持ってる」 「じゃ何持ってんのかリスト作ってって言っといて」 「オケ」 言ってまた、辺りを見回すサト。 「なんか探してんの?」 オレがたずねると、サトがびくっとして変な顔をした。 「いやっ、べっつに!」 「…ふうん」 別にいいけど。 焦った様子のサトからオレは視線を外す。 .
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