02*azuki

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「…なんか、雪子先生がチカくんに手えだしてるって…」 「チカに? 雪子先生は加賀先輩だろ」 「まあそうなんだけど…」 言って、なんだかサトがそわそわしだし。 「オレ、ちょっと保健室行ってくるわ」 そして突然走り出そうとするサトを、「オイ!」とオレは思わず引きとめた。 久々に大きな声を出したような気がする。 「なんでおまえが行くの」 「いいだろ、別に」 「つうかチカにも色々あんだろ。 今、いいとこかもしんねえじゃん」 オレの言葉に、サトが眉根を寄せた。 そして一瞬沈黙した後、サトが真剣な顔をした。 「…なあアズキ」 「なんだよ」 その表情に、なんだか身構えるオレ。 「チカくん、オレにちょうだい」 「…は?」 今度はオレが眉を寄せる番だった。 「なに言ってんの、おまえ」 「オレ、1万出す!」 「え? くれんの?」 オレがきょとんとし聞き返すと、サトがウンウンと大きく頷いた。 .
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