02*azuki

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そして声をかけ。 何を言ってんのかは聞こえないけど。 傍から見れば脅されているようにしか見えなくて。 「…」 そしてオレの視界の中、辻くんがウンウンと大きく頷いた。 サトが満面の笑みでオレに振り返る。 「いいってよ! 辻くん、視力悪いけどコンタクトにするんだって! しかも1万貸してくれるって!」 「…ひでえ」 「それと、オレ! 保健室行ってくっから! おまえ、明日までには席、変わっとけよ!」 そう言って、サトは足早に教室を出て行った。 ――それから授業が始まっても、チカは帰ってこなかった。 「…」 オレは授業中、何度も教室の出入り口を見た。 そんで小学校の頃を思い出した。 授業参観で、母親がくるのをまだかまだかと待ちわびてたあの頃。 「…」 (…まあ、そんなことはどうでもいいんですけど…) 思い、オレは何かを諦めると、また机に突っ伏した。 .
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