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…チカとオレは仲がいい、と思う。
高校入学してすぐ、チカのことをサトから聞いた。
頭もいいし、運動もできて、顔もいい。
でも他人にはすごく冷たくて、近寄りがたい。
この学校の女は大抵チカか、三年の大宮先輩のことが好きで、でもチカは告られても全部断ってるらしいって。
『アズキとは真逆だよ』とサトが笑ってた。
オレは来る者拒まず、チカは来る者すべて受け入れずって。
「…」
そういえば、とふと思う。
一年の時、サトが言ってたな。
友だちになりたいって。
オレはそん時、サトのことをバカにしたけど。
サトも笑って、オレやべえって言ってたけど。
「…」
遡って考えると、サトの本気が見えてきた。
二年になって、たまたまチカとオレが同じクラスになった。
そんでたまたま隣の席になった。
そしたらサトが、今まで以上にオレんとこに来るようになって。…
「…マジで?」
気付き、オレは思わず苦笑した。
けど。
「…」
なんだか、笑えない話だと思った。
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