01*chika

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…何の変哲もない日常、オレたちのいつもの会話。 このままでいい、とオレは思う。 恋なんて、一時の気の迷いだ。 長い一生の内の、一瞬の心の乱れだ。 たまたま高校で知り合って、 たまたま同じクラスで、 たまたま隣の席で、 たまたま気が合って。 オレたちはこれからも、こんなたまたまでいいと思う。 …そしてその内、たまたま離れてしまうんだ。 「ういーっ! しかし寒いっ」 アズキがマフラーに自分の顔をうずめながら言った。 「…冬だからな」 「ああ冬だ」 「寒いのが当たり前だ」 「ああ、しかももうすぐクリスマスだ」 「…」 そん時、アズキが「あ」と言ってオレを見た。 「チカ、携帯鳴ってる」 「…鳴ってねえよ」 「オレのだよ、チカ。 ブルブル言ってる。 取って」 「…なに言ってんだ」 「オレ、両手塞がってんじゃん、取って」 「…どっからとんだよ」 オレが眉をひそめてそう言うと、アズキがくいっと自分の腰をオレの方に向けた。 .
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