01*chika

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『アズキくん…』 「うん」 アズキの冷たい返事。 初めて聞くその声に、オレは少し引いてしまった。 『アズキくん… なんで別れるっていうの…?』 「別れたいから」 オレはアズキを見た。 アズキは目を伏せ、オレの手を見ている。 『でも私、アズキくんのこと、やっぱり好きだし、別れたく 「ごめん」 アズキが三上の言葉を遮った。 「オレが悪いんだ」 『…好きな子って誰?』 三上の声に、オレの手がピクリと揺れた。 アズキがそれに気付き、オレを見る。 オレはなぜだか舌打ちすると、表情を隠すように顔をそむける。 「…悪いけど」 アズキが言った。 「今、そいつ、目の前にいるから」 『…え?』 瞬間オレは、手の中の携帯をアスファルトに叩きつけたい気分になった。 ギリリと奥歯をかむ。 「ごめん」 アズキが言って、オレの手首をつかんだ。 そしてもう片方の手もポケットから出すと、画面を操作し、彼女との縁を切った。 .
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