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縦列にいろんな車種が駐車されている路上。二人の乗る紺色の車から、四車体挟んだ向こう側に止められている外車。
その脇で足を止め乗り込もうと動くターゲット達。
依頼人の旦那。
田辺裕。隣には夜の匂いがするスタイルのいいスラっとした女性を同伴している。
「既にほとんど黒なのよね……飲まないのに一人でクラブに行くとかって。これからアフターってところかしら?」
「そうみたいっすね。つけますよね?」
「デキてるなら、ホテルかどっかよね。あのオンナのマンションとかだと有り難いんだけど……さすがにまだわかんない、な」
運転席の彼が発する今更な疑問をさらりと無視して。
独り言を呟きながら構えたカメラのフレームに二人の姿を納めていく。
すぐにブルルとエンジン音がして外車が発進した。
「さて追いかけっこの時間ね。康介、運転しっかりと頼むわよ? 絶対にバレず、見逃さないでっ」
「了解っす」
康介と呼ばれた男はそういうと車に火を入れて外車の後を追い始める。
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