第五章 輪郭

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   そして、それらのオンナ扱いだけでも許し難い青木の腐り方はこれだけじゃない。  育った付近じゃガキの頃からそれなりに有名なクズでワルの仕切り役の一人だった。  仲間を集めては非道を繰り返している。  通常その手の人間は群れるのが好きで逆に群れなきゃ何も出来ない奴が多い。  だが、青木はどうも違う。良い悪いは別にして確固たる自分というものがあるようだ。  それ自体はむしろ敬意に値するだろう。流されない信念は軟弱で他人任せより余程好感が持てる。  しかし、この男は常に自分だけが特別であって後はただの道具だと。  加藤を通じて聞いた数あるエピソードから、どうやら他人を馬鹿だと思っている節が見え隠れしていた。  行っている事も、自ら暴力沙汰には関与せず仲間にやらせたり。いちいち小賢しさが鼻につく。
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