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今度は進む道。前方に真っ直ぐな視線を向けて康介は言った。
「ええ、飛ばして構わないです」
更に康介の言葉は続く。
「行く道はそこそこ混んでいて。障害もチラホラと見えてはいるようですが。自分ならいつでもおっけっーすよ。社長の為になら死ねるワケっすから……」
そこで一度言葉を切って。今度はゆっくりと付け加える。
「……とはいえ、このポンコツ。この道でどれだけ飛ばしたとしても大した危険はないんでしょうけど?」
加藤との会見に最初から最後まで一緒にいて、余さず情報を共有している康介。
涼子の、ある意味潔癖な考え方や性格を熟知しているからこそ、そう言って意味深な笑みを顔中に浮かべていく。
その言葉を聞いて涼子は少し微笑むとすぐに前方をしっかりと睨みつけて。
アクセルを踏む足に思い切り力を入れた。
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