第五章 輪郭

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   相手がどんな立場であれ自分がどうであれ好きになってしまったものはしょうがない。  旦那がいようが、社会的立場があろうが恋愛するのはあくまでも個人の勝手。後は本人の倫理観や価値観の問題。  だからこそ、仮に問題が起きてしまえばそれは誰のせいでもない己の責任。  仕事だからやるけど、今回の凛花のようなケースは本来は知ったことでもないし他人が口を挟むべきでもないと。  もっと言えば出会い方にしてもそう。  ナンパにしたって偶然だし合コンだって作為的なものだ。そこにドラマがないだけで。  仲間を使って暴漢を装い、それから助ける白馬の王子プランや、降りた車を主がいない内にパンクさせて困っているところに現れ助ける。そして偶然を装って再び違う場所で再会をする、また再び会えたねプランなど。  端からネタを知ったうえで見ている分にはかなり面白いし。  それら自己を良く見せる為の演出にしても、向きや事の大小はあれど皆やっている事。より過剰なものはサプライズだと考えれば一概に悪い事だとも言えない。  幾つになってもロマンチスト。出会いを『運命』として考え、それに酔いたい女だってなかにはいるのだから。
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