第五章 輪郭

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   援交させられようが脅迫されようが最初から自分の意志でハマったのなら仕方がない事。テメェのケツはテメェで拭くべき。  だけど、と涼子は思う。  脅かされている女が自業自得だからといって、青木が悪くないなんて事には絶対にならない。  まして、相手の意志を無視しての拉致やクスリ。無理矢理というやり方は絶対に許せる話ではないし、挙げ句の脅迫はそれこそ人間じゃない。  その行為は便所コオロギにも劣る本物の糞で。人の尊厳を頭から無視している。まさに、折り紙つきのクズ。  どんなに贔屓目に見てもあからさまに腐っている。どうやらそれだけは確かなようだ。  そこまで考えてもう一度凛花に行き着く。  どんな接触をしてどんな転び方をしたというのか?  彼女の慧眼は相手がどんな被りモノをしていようが常に本質を見る。  どう考えてもこんなクズを見抜けないはずはないし。まして翻弄をされるなんて――有り得ないんだけど、と。
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