第3話 輪郭

第五章 輪郭

　
　涼子が聞いた限りでは青木が現役当時ほどの派手さははないが脈々と青木イズムを継承している。

　悪知恵を働かせている小悪党。相手を見て手段を選ばぬ卑劣漢として。

　青木は未だにＯＢとしてちょくちょく顔を出しているのだとか。

　……どうやらこのあとに当たるべきはそいつらクズの集団だと、涼子は考えていた。

　溜まり場のひとつは青木の現在もツレだという奴が経営している。

　青木と現役でツルんでいる人間がいる以上、少なくとも生きた情報収集は出来るはず。

　その過程で、何がしか青木の犯罪の証拠なり弱味でも掴めればそれで今回の件においての取り引きも可能だ。

　羽賀という名前の奴が経営をしているダーツバー。

　まずはその店にさり気なく客を装い向かう。

　店内をそれとなく覗いていけそうであればその羽賀に食い付く。