第3話 輪郭

第五章 輪郭

　
　こちらの意図を推し量り、途中から本当に駆け引き抜きで加藤は言った。

　カジノを仕切る栄伸会云々の情報よりも必要なのは青木の個人情報なんでしょう？　と。

　勿論、それは明白で涼子は誤魔化しも効かない加藤相手に認めざるを得なかった。

　そこからは驚く程に的確かつ俊敏な加藤の行動が始まる。

　その圧倒的な手段の数と常識では考えにくい絶大な影響力を用いて。ライブで積み上がっていく生きた情報。

　見ていた涼子はただ舌を巻くばかりだった。