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夏の勢いもそろそろナリを潜め日中はまだまだ暑いながら夜は一枚だと心許なくなってきた季節。
久しぶりに全身をフォーマルでまとめた涼子は凛花と彼女の馴染みである赤坂の店で食事をしていた。
「涼子、たまには和食もいいものでしょう?」
正面から凛花。涼子と同じくスーツ姿で装いを決めている。
「そうね。私は和食だのフレンチだののコースでちまちま出てくる感じが苦手なんだけどね~」
その言葉にハハハと笑って凛花が言葉を続ける。
「それとは違うかもしれないけれど。ぶっちゃけ私もワビサビなんて相変わらず分からないわよ」
「そうよね……? 別にまどろっこしい事しないでいいのにとか。美味けりゃいいのにって、思うんだけど……」
「ふふ、間違いないわ」
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