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目の前の皿に手を伸ばして涼子は口もとへと運ぶ。
それを見ながら凛花は言った。
「でも、ここ。味が一流なのよ。私は本当に一流が大好きでさ」
口元に微笑みをたたえながら。
「うん、確かに美味しいわ」
「でしょう……? 今日は私もトコトン飲むつもりで来たから涼子も簡単に潰れないでね?」
やんわりと眼前の涼子を見つめる凛花。
「そりゃ、怖いわ。でも今日はなんでまた誘ってくれたの?」
さり気なく視線を外して涼子は問い掛ける。
「ふふ、おかしな事を言うのね? 友達を誘うのにいちいち理由なんていらないでしょう?」
そこで言葉を切って。
「それでも。しいて理由を言わなきゃならないのだとしたら。……洋子さんの件を解決してくれたお礼ってところ」
そう言った凛花の瞳を今度は真っ直ぐに見て涼子。
「あー、そうね。電話でも話した通り『その気』になったからさ。解決をさせて貰ったわけよ」
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