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「うふふ、まだあの件を続けていたのは中途半端が嫌いな涼子らしいな、と思っちゃった」
そのまま続けて。
「……確認したら、もう既にひと月。青木から連絡は途絶えているそうよ? ただ何故か分からないし、非常に残念なんだけれど。私が洋子さんに避けられているフシがあるのよ、ね」
その言葉に涼子は思った。
(まぁね……)
そりゃ、パパの会社が他とくっついちゃった田辺洋子。凛花相手に連絡は取りにくいって。
俯きがちにそう考えてからすぐに目の前の凛花に向け曖昧な表情で語りかける。
「……ふーん。まぁ、いいんじゃない? どうせあのオンナはまた同じ事を繰り返すだろうし、これを機に縁を切っちゃえば?」
「……残念だけれど。どうやらそうなりそうね」
少しだけ悲しそうな顔をした凛花がそう言った。
「うん、……ところで報酬なんだけど。どうあれ期待してもいいんだよね?」
「……もちろん。こちらの依頼は完遂してくれたのだから。これリスト、順番に紹介していくわ」
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