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「ふふ、おかしな涼子。あなたが言っている事は私にはよくわからないけれど。ちゃんとした仕事にはちゃんとした報酬で応えるわ」
涼子の顔をじっと見つめて凛花はそのまま言葉を続ける。
「……少なくとも今回私が依頼した内容。『田辺洋子さんの脅迫を止める』という目的は果たしてくれた訳だから約束の報酬を用意した。私が嘘をついた事がある?」
「……嘘云々なんてどうでもいいわ。私はね、約束通りに報酬が貰えればそれでおっけー」
「まぁ、それもそうね。だけどさすが涼子。私はね、あらゆる友達の中で涼子が一番好き。負けず嫌いで頭が良くて行動力もある」
突然くすぐったくなるほど持ち上げ始めた凛花に微かに恐怖を感じた涼子がそのままを相手にぶつけた。
「怖いよ……あんた」
「そう? 怖いかしら? 私はいつだって本音。けど、今日のは特に本音かな。私は一流で仕事が出来る涼子が心から好きなの」
そこで口角を僅かに吊り上げ刹那だけの時間、妖しく輝く瞳で涼子をサラリと見つめた凛花。
そのまま言葉を続けていく。
「――例え。私の思惑通りにいかないとしても、ね」
「…………、」
(思惑通りねぇ……)
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