焦らす雪

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家族との晩餐が終わると、俺は自室へと向かった。 俺がこの家を出てから、1ミリも変わっていない…。 壁に貼ってある麻友のポスターだったり、机の上に置いてあるグッズだったり…。 実家は何もかも変わらない……唯一変わったのは俺だけか? 麻友は今……とポスターの麻友を見ながら思う。 それと同時に当時の俺も思い出す。 必死だった、ただただ。 麻友に会うために、麻友に近づくために、何もかも犠牲にしていいと思ってきた。 そんな努力が実ってか、今は麻友と近い。 でも、それが本当に… 『俺が選ぶ道が正解』 そう…でも俺は俺が選ぶ道が正解なんだ。 振り返ることなんて愚行なのかもしれない。 ベッドに流れ込む。 次に実家に帰って来る時は、麻友も一緒だろうか? そうである事を切に願って…。 俺は自然と眠りについてしまった。
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