701人が本棚に入れています
本棚に追加
一人分にしては、ちょっと大きめのサイズだ。
「いつか麻友が俺の家に遊びに来た時には、一緒にご飯作って食べたいね。」
俺は引っ越してから、新しい場所と言う事で忙しく、比較的麻友と会える頻度が少なかった。
会ったとしても、人が少ない時間に少ない場所だったりする。
俺の家には兼ねてから行きたいと言ってくれたが…。
「ふふっ。」
すると麻友が何故か吹き出してしまった。
俺は自分が何かおかしい事を言ったか改めて頭の中で繰り返すが違和感はない。
「実は将慶君…ひとつお願いがあるんですけど…。」
「うん。」
「今度から撮影が将慶君の家の方面で朝早くからある時は泊めてもらいたいなぁ~…って…。」
唐突なお願いで最初は何も考えずに許可した。
でもよくよく俺は以前からの麻友との会話を思い出す…。
麻友はよく、仕事は俺の家の近くであるって事を言ってた。
俺自身、今まで生活してきてバッタリ仕事途中の麻友に出くわしたことはないが…。
つまり…。
俺のハッと気がついた表情を見て、彼女は満面の笑みを浮かべて…。
「そうです。
一緒に暮らしませんか?」
と尋ねてきた。
「えぇっ!!
いきなりの告白!?」
と腰を抜かすのも無理はない。
今の今まで軽い妄想半分で作った食事をテーブルを挟み、向かい合って食べるという、超理想的なカップル像を麻友と俺で当てはめていた所だったから。
それが急に実現するとなると、驚きと嬉しさのあまりリアクションが取りにくい。
最初のコメントを投稿しよう!