701人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま………ゆ……?
ま…ゆ…?」
傀儡人形にしても不出来な不自然な二足歩行。
ガクガクとこの体重を支えるには力足らずな両足に鞭を打ち、引きずり前に進む。
一歩、また一歩。
羽の折れた天使に近づく。
なぁ、起き上がってくれよ。
寝起きの時みたいに、眠い目をこすりながら起きてくれよ。
今なら全て許すからさ。
ドッキリって言ってくれてもいいよ。
起きて「将慶君」って呼んでよ。
ホラ、あとどれくらい近づけば種明かししてくれるの?
そんな、轢き逃げするなんて、嘘でしょ?
何のテレビ局なの?
ねぇ…。
ねぇ。
ねぇっ。
ねぇッ!
もう着いちゃうよ。麻友のところ。
あと3歩。
ほら。
あと2歩。
早く。
あと1歩。
もう。
あと…………着いちゃったよ。
最初のコメントを投稿しよう!