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「加奈と、それからこの店を守るために一生懸命やってたつもりだった。加奈だって俺と同じ気持ちでやってくれてるって信じて疑わなかったよ。でも違ってたんだな…」
加奈さん… 彼の奥さんとは何度か会った事も話をした事もあった。
近所のスーパーでレジのパートをしていた彼女は、私を見つけるといつもニコニコ笑いながら手を振ってくれた。
明るくて大らかで、しっかり者の奥さんって感じで。ちょっと悔しいけど、彼にぴったりの女性だと思っていた。
「加奈、男ができたって。他に好きな男ができたって…」
最後まで言わずに彼は黙って目を伏せた。
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