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翌日
翠香は改めて自分が過去の世界に来た事を確認した
翠香(目が覚めてもこれって・・・はあ、もう諦めるしかないね・・)
居正はすでに何処かへ行ったようだった。
翠香「ご飯でも作っておこうかな。」
ことことこと
ざくざくざく
ジューー
ボワッ
翠香「ふう。できた」
タイミングよく居正が帰ってきた
居正『良い匂いがすると思ったら君だったのか。』
翠香『はい!朝ごはんです。』
居正『気の利いた奴だな。』
翠香『えへん!』
居正『冷えない内に頂こう。』
翠香『どうぞ!』
翠香『何処に行っていたのですか』
居正『ああ、君の科挙の為の教科書を探しに行ってきた。』
翠香『え!わざわざありがとうございます!』
居正『いやいや、礼など言わないでくれ。実は手に入れなくてな・・・』
翠香『いえ、その心使いだけで十分です!』
居正『そうか、悪いな。』
翠香『いえいえ。』
翠香『居正さん、こっちでの用事って何なのですか?』
居正『唯の墓参りだ。』
翠香『でもそれだとこっちにいる時間が長くないですか?』
居正『いや、こっちに来たらいろいろと頼まれごとが多くてな。中央の役人が地方に来るのなんてたいてい左遷だしな。』
翠香『そうなのですか・・』
居正『心配するな。もう大方終わっている。こっちの者には少し予定を繰り上げて帰ることをもう伝えてきた。』
翠香『なんかすみません。』
居正『気にするな。』
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