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あれが演技?
…まだ信じられない。
言っている意味が分からない!
「…あいつ、俺の彼女って言おうとしてたでしょ?圭斗くん!」
「…彼女じゃないって言おうとしてた。
てか、ねえ。桃ちゃん。分かってる?
俺、さっき告白したんだけど?」
「!!」
私はベンチの端っこで彼と向き合っていた。
なんだろう?この図、
まるで私が崖っぷちにいるみたいな図!
猛獣圭斗に追い詰められてる…
これ以上下がると今度こそ…落ちる!
「な、何の演技よ!」
最後の抵抗のように私は圭斗くんに質問をした。
「…あいつ、クラスの女子で演劇部。なんか相手役のイメージが俺とかぶるらしくて、頼まれて彼氏のふり?付き合ってやってたんだ」
「!!」
んなことまで圭斗くんするの?
クールそうな彼が?!
凄く以外!!
「…別に演技ってほど、俺は何もしてないよ。ただ所構わず吹っかけられるのは正直きつかった…」
「…じゃあ、
本当に彼女はいないの…?」
その言葉を聞いた圭斗くんはにやりと笑った。
「…俺に彼女いなかったらどうなの?桃花。
さっき言いかけたこと…教えて?」
「ッ!」
しまった!
いくらここが崖っぷちだからって…
心の準備を整える前に、相手の懐へ…飛び込んでしまった。
私は今、
猛獣圭斗の手の中…?!
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