決戦の朝

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圭斗くんはじっと私を見つめていた。 その瞳に私は耐えれなくなって見ていられなくなり、 顔を真っ赤にして俯いた。 う…わあ…どうしよう… 顔をまともに見れない…! でも、やっと… 気持ちを伝えられた… 「ねえ…桃花、顔をあげて」 「や。無理です…」 「ははっ!なんで敬語?」 「だ、だって… ちょっと待ってお願い…」 「…じゃあ、 そのままでいいから聞いて…桃花」 彼はぐっと私に近づくと、 耳元にそっと囁いた。 "ずっと好きだった" 「ッ…………!!」 身体の奥深くから何かがすごい勢いで溢れてくる。 初めて好きって… 好きな人から… 圭斗くんから私の事好きって、 言って貰えた…! 「…本当に?」 「うん。本当」 まだ…信じられない…! 想いが通じ合ったって、本当に思ってもいいの? う…わぁ、どうしよう。 嬉しくて顔がにやけて… どうにかなってしまいそう…! …だけど…あれ? まって… ずっと好きって言ったよね。 ずっと?  て、…いつから?! 「桃花、 いい加減顔をあげてよ」 頭上で圭斗くんの声がした。 「顔、見せて?」
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