決戦の朝

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『愛想笑い…しない相手がいつか現れる』 猛先輩の言葉… あの時私には、一生現れないと思った。 だけど、 今、目の前に…居る。 「本当の笑顔…は、また今度…今は無理!…でも私作ってないよ、圭斗くんには…素…だから!」 私はしどろもどろに答えた。 「へえ… じゃあ素で照れて、怒ってる?」 「そ、そんなに怒ってない…」 戦局は悪くない…たぶん。 目的は達成した。 フラれると思っていた。 玉砕覚悟だった。 いい歳してって笑われたり、バカにされたり、言いふらしたりとかされる?と一瞬考えた。 でも、圭斗くんは そんな事する子じゃないと信じた。 だから… 自分を自分の本音をさらけ出した。 おかげで慣れない事をして、もうボロボロにくたびれて来たけれど… 「…素の桃花か …いいね。もっとみたい」 「…ッ!」 でも…どうしよう… まさかこんな展開になるなんて…微塵にも思って居なかった…! 「…ス、 ストップっ圭斗くん…!」 私は近づいてくる圭斗くんを止めるように両手で彼の胸を押した。 「ここ…外!近すぎるっ! それにもう学校行かないと…!」
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