1853人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、不思議だな」
そう言って、私の顔をじっと見つめてくる。
居心地が悪い。というか気持ち悪い。
オヤジに見つめられる趣味はないのよ。
顔を背けてワインを飲んでいると、彼は「うーん」と唸ってこう言った。
「そんなに美人かな、『御園さん』は」
おかしな物言いにカチンときて、私は彼を睨む。
「……どういう意味でしょう?」
「そのままの意味だよ」
私の鋭い視線を全く気にした様子もなく、彼は微笑みを返してきた。
「綺麗な顔を作るだけならCGで十分だからね」
「は……!?」
私の顔を、ツクリモノと比べているの……!?
この男はいったい何が言いたいの?
ずっと美しいと言われて育ってきた私を、馬鹿にしていることはわかるわ。
けれど、こんな無礼なことを……よくも笑いながら言えるわね……!?
.
最初のコメントを投稿しよう!