《6》

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  「でも、不思議だな」 そう言って、私の顔をじっと見つめてくる。 居心地が悪い。というか気持ち悪い。 オヤジに見つめられる趣味はないのよ。 顔を背けてワインを飲んでいると、彼は「うーん」と唸ってこう言った。 「そんなに美人かな、『御園さん』は」 おかしな物言いにカチンときて、私は彼を睨む。 「……どういう意味でしょう?」 「そのままの意味だよ」 私の鋭い視線を全く気にした様子もなく、彼は微笑みを返してきた。 「綺麗な顔を作るだけならCGで十分だからね」 「は……!?」 私の顔を、ツクリモノと比べているの……!? この男はいったい何が言いたいの? ずっと美しいと言われて育ってきた私を、馬鹿にしていることはわかるわ。 けれど、こんな無礼なことを……よくも笑いながら言えるわね……!? .
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