213人が本棚に入れています
本棚に追加
『先ず、この世界にはマスターも含む全ての生き物の“魂”と肉体を繋ぐ“因果”というものが存在します。』
「因果?」
『はい。その“因果”は“死”と密接に関係していて、一人の人間が一度死ねば、その人間の“因果”は切れ、逆に“因果”が切れれば、その“因果”の持ち主は死ぬ・・・』
「その“因果”がどうかしたのか?」
『“因果”が切れた後、その切れた“因果”は僅かばかりですがその持ち主の“魂”と繋がったまま、その持ち主は言うなれば幽霊といった存在となり、この世を彷徨うことになるのですが・・・』
「どうした?」
『その“因果”が無くなればその瞬間、“虚の闇”が生まれ、“因果”を失った“魂”はその“闇”に呑み込まれて虚と化してしまうのです・・・』
「・・・それが・・・虚がこの世界にいる理由か・・・」
「でもその話がイタチ君の身に起きたこの・・・『虚化』っていう現象とどう関係しているの?・・・まさか、同じようにイタチ君が虚になったなんていうことは」
『そのまさかですよ。リンディ殿。』
「!?」
『この時のマスターは正に虚と化し、暴走してしまったのです。』
村正のこの言葉に、リンディは驚きを隠せなかった・・・
最初のコメントを投稿しよう!