第十一話

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「それは一体どういうことなの?村正・・・先程のあなたの話では虚となるのは死者だけ・・・イタチ君は生者よ・・・」 リンディは一見落ち着いているように見えて、内心動揺しながら村正に尋ねる。 『確かに・・・虚化するのは死者であって、生者が虚化するのは本来ならばあり得ない・・・が・・・もし、生者の“魂”の中に“虚の闇”を内包させることが可能だとしたら・・・その“虚の闇”に“魂”が呑み込まれてしまったとしたら・・・例え、生者の身であろうと虚化することは十分可能です・・・』 「なら、何故イタチ君の中に“虚の闇”が?」 『恐らく夜叉丸の仕業でしょう・・・以前の戦いで夜叉丸はマスターの中に“虚の闇”を流し込んだ・・・今まではマスターの無意識での精神力でその“虚の闇”は抑え込まれていたのですが・・・』 村正はそこまで言った後、一つのモニターを出す。 そのモニターに映し出されているのは倒れるフェイトに、そのフェイトから奪ったリンカーコアを握りしめている例の仮面の男の姿・・・ 『・・・この時・・・マスターはご自分の大切な“友”の一人であるフェイト殿を傷つけた仮面の男に、激しい“怒り”を覚えました・・・そして、その“怒り”に呼応して、“虚の闇”が目覚め、マスターはその“力”に呑み込まれて、虚化して暴走してしまったのです・・・』
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