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「フッ・・・どうやら準備はいいようだな・・・」
「あぁ・・・まさか戻って早々初デバイスでの初戦闘をすることになるとはな・・・」
女性にそう答えながら、イタチも腰に差した刀、起動状態の村正を引き抜き、構える。
「では・・・いくぞ!!」
「こい!!」
イタチと女性はお互い同時に駆け出し、間合いを詰め、
ガキィィィンッ!!
女性の剣とイタチの村正がぶつかり合い、せめぎ合う。
「・・・片手だとバランスが悪いが・・・やってみるか・・・」
「?」
イタチはそう言うと、右手だけを離し、印を結ぶ。
(なんだ?この手の動作は・・・)
「“千鳥”!!」
女性が疑問に思っているなか、イタチは片手だけの印での“千鳥”(この小説オリジナル)を発動させ、女性の剣を村正で押さえたまま女性の胸目がけて“千鳥”を突き出す。
「!?くっ!!」
ガキィンッ!!
予想してなかったその攻撃に対して、女性は鞘で“千鳥”を受け止め、バックステップで後方へ跳んで、一旦距離を取る。
(なんだ?今の雷の魔法は・・・“詠唱”も無しにあれ程の雷を・・・しかもデバイスではなく、自分の右手に纏わせる魔法など聞いたこともない・・・)
「・・・やはり片手だとバランスが悪く、威力も落ちるか・・・しかし・・・なかなか良い判断だな・・・」
(なに!?今のでも威力が落ちている方だと!?)
今の“千鳥”を受け止める際、焦げあとの付いた自分の鞘を見ながら、女性はイタチの言葉が信じられないといった表情になる。
「・・・貴様・・・一体何者だ?・・・“詠唱”も無しにそれ程の雷を・・・しかもデバイスではなく、自分の右手に纏わせる魔法など聞いたこともないぞ・・・」
「だろうな・・・そもそも俺が使っているのは魔法ではない・・・忍術だ・・・」
「忍術?なんだそれは」
「悪いが、戦いの最中で詳しく説明してやる程・・・俺は優しくはないぞ・・・」
「!?」
いつの間にか女性の目の前まで移動していたイタチは村正と“千鳥”で女性に猛攻を仕掛けた・・・
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