第1話 

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「あーあ。良い結婚式だったね」 「そら、あんた棒読みすぎ」 空は快晴。 風は強い。 雲ひとつ無い青空の下、また教会の前で鐘が鳴る。 「てか私、此処で結婚式したいなぁって言ったんだよ? 真似されるとは思わなかったわ」 煙草を吸いながら私を見て笑う親友の柚(ゆず)。 そんな私は、朝6時に起きてから巻いた髪に、ばっちり化粧をして、隙1つ感じさせない雰囲気で佇んでいた。 ――結婚式に男を漁りに来たと思われたら堪らないから。 勿論、二次会なんて行くわけない。 二次会の場所も、私がしたかった場所だ。 愛され系のふわふわおっとりの可愛い友達だったが、今日で疎遠にしてやる。 「柚は二次会行かなくて良かったの?」 未婚者一人一人に渡されたミニブーゲをベンチにわざと置き去りにしながら聞いてみる。 「結婚ラッシュで金ないんだよね。もう先々月から何回結婚式に出た事か」 そう言いながらも、柚の左手の薬指には上品なシルバーのリングが光っていた。
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