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ここで会ったが百年目!!
思いっきり殴り付けようと右手を振り上げた。
響も逃げなくて、覚悟した様に目を閉じた。
その時だった。
「そらっ」
お兄さんが、響を庇うように間に飛び込んできた。
髪なんて濡れたまま、腰にタオルを巻いただけの格好で。
「聖さん!」
「そら、彼は僕の大切なー……あ!」
お兄さんの蒸気ただよう匂いと、勢いよく右手を振り上げたせいか、またまた喉の奥から苦い何かが込み上げて来た。
「そ、そらぁぁ――!」
「聖さんっ」
二人の断末魔を聞きながら、
本日二回目のリバース。
お兄さんの白くて綺麗な肌目掛けて。
なかなか鍛えられてるな、とか、
もう飲み過ぎるのは辞めよう、とか、
響、ぶっ殺す、とか思いながら、
ズキズキ痛い頭を押さえて意識を手放した。
そう言えばお兄さん、響の事、『大切な』何って言うつもりだったのー……?
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