第1話 

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「――大丈夫? 聖さん」 ズキズキズキ 頭が痛い。 ズキズキズキ どうやら胸も痛い。 どれぐらい眠ったのか分からない。 頭がボーッとするが吐き気は治まった。 (……喉、乾いたな) けど、頭が痛くて起きたくない。 「ああ。すみません。シャワー浴び直したから大丈夫ですよ」 二人の話し声がする。 私の頭上で……? 「あのさ。聖さん、そらと知り合いだったの?」 「はい。そらは幼馴染みと言いますか、隣に住んでた女の子なんです」 優しく、小さな声で話すお兄さんとは違い、 響は拗ねたような、強めの口調で話している。 (……私の話題?) 「幼馴染みをベットに寝かせんの? やっぱ聖さん、女好きだもんね」 「いえ。確かにそらとは結婚したいですが、今日はそんなつもりじゃ無いです。 すみません。響に連絡すれば良かった」 「聖さん……」 ……甘い。 ベットに香る花の香りよりも、二人の会話が甘すぎる。 てか、今、結婚って言いました? 「響は、そらと知り合いなんですか?」 「…………うん」 「あの日と関係ありますか?」 ……あの日?
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