370人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「あの日の事は、そらにも言わないで欲しい」
「そっか……」
「水!」
二人の会話に割り込むように、大声を出した。
「そら?」
「頭痛い! 喉乾いた! 水! 水!水!」
「待ってて。今僕が」
「いや、俺がする。聖さん、そんな格好だし」
そう言うと、響はバタバタと音を立てて、階段を降りていく。
「そら、起きましたか? 二日酔いですか?」
私を覗き込む影ができたので目を開ける。
「…………なんで裸なの?」
私の頭の上に手を置いて、挟むように覗き込むお兄さん。
色々言いたい事はあるけど、そのシーツの下は何も着てないんじゃないの?
「え? 僕、寝るときは裸なんです。そらの服も嘔吐した物が付着したから着替えてますよ」
「は!!?」
起き上がると、私の服は取り払われて、お兄さんのブラウスをワンピースのように着ていた。
……花の香りがすると思ったのは、このブラウスだったんだ。
「ベットはここしかなかったので、3人で寝たのに。覚えてないんですか?」
「記憶にございません」
私、昨日、リバースしてからの記憶、ないもん。
「静也の店で話してた事は?」
「何か言ったっけ? 吐く前なら覚えてるけど」
最初のコメントを投稿しよう!