第1話 

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「あの日の事は、そらにも言わないで欲しい」 「そっか……」 「水!」 二人の会話に割り込むように、大声を出した。 「そら?」 「頭痛い! 喉乾いた! 水! 水!水!」 「待ってて。今僕が」 「いや、俺がする。聖さん、そんな格好だし」 そう言うと、響はバタバタと音を立てて、階段を降りていく。 「そら、起きましたか? 二日酔いですか?」 私を覗き込む影ができたので目を開ける。 「…………なんで裸なの?」 私の頭の上に手を置いて、挟むように覗き込むお兄さん。 色々言いたい事はあるけど、そのシーツの下は何も着てないんじゃないの? 「え? 僕、寝るときは裸なんです。そらの服も嘔吐した物が付着したから着替えてますよ」 「は!!?」 起き上がると、私の服は取り払われて、お兄さんのブラウスをワンピースのように着ていた。 ……花の香りがすると思ったのは、このブラウスだったんだ。 「ベットはここしかなかったので、3人で寝たのに。覚えてないんですか?」 「記憶にございません」 私、昨日、リバースしてからの記憶、ないもん。 「静也の店で話してた事は?」 「何か言ったっけ? 吐く前なら覚えてるけど」
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