第1話 

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「聖さんにはフルーツ切ってるよ。珈琲ももうできる。今日は10時から手作りブーケに予約入ってるし」 「もうそんな時間ですか。急がなきゃいけませんね」 「あ、聖さん、そら居るからパンツ履いて!」 「世話焼き女房みたいな会話だね。響」 飲み干したコップを乱暴にベット脇のテーブルに置く。 色々ありすぎて混乱してたけど、 あんたに裏切られたのは忘れてないんだから。 「分かった。殴っても良いけど、腹にして。聖さんが心配するし」 そう言って、腹を指差した。 「聖さん聖さんって、あんた、本当にお兄さんのペットなの?」 「……!」 響は唇を噛むと下を向いた。 ……一体なんなの? この二人。 「聖さんは俺を救ってくれた人なんだ。その、俺らが付き合ってたって事は」 「なんで隠す必要があるのよ」 私の睨みにびくびくする響。 いつもキラキラ輝いて、私を引っ張ってくれていた姿からは想像つかない。 恋愛フィルターが外れやると、冷静に見る事ができるのだろうか。 「後でちゃんと説明する。でも本当に聖さんのおかげで俺、モデル辞めれたし。あの人には感謝してるからこれ以上迷惑かけられねぇんだ」
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