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モデルを辞めれた?
なんでそんな愁思な表情で言うわけ?
「そらは本当に聖さんと婚約すんの?」
「さぁね。響には関係無いから」
「――関係あるし。まじでありえないから」
そう言っていた時だった。
白のブラウスを片腕だけ通したお兄さんが慌てて階段を上ってきた。
「あの、響! 今日の仕事の予定はありますか?」
「もう聖さんは。今日は午前中に2件入ってる。午後はテナント探し」
響は、お兄さんの腕を通し、ボタンを止めながら言う。
するとお兄さんの綺麗な顔が真っ青になる。
「どうしよう。クライアントから薔薇のブーケに変更したいって昨日メール来てたのに、今確認しちゃいました! 薔薇はあるのですがトゲの処理が間に合いません」
「うっわ。百合だのダリアだの、色々変更したのに結局薔薇? うーん。ちょっと時間ずらせるか聞いてみようか」
響が椅子にかけている自分のデニムからスマホを取り出した。
でも、
「私が手伝えるなら手伝うけど?」
昨日、バタバタさせちゃったのは私だし。
ニートだし、今日は予定ない。
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