第1話 

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スーパーで80mlのミニ缶を買って、二本目をサンドイッチと共に飲む。 昨日の反省からノンアルコールだけど。 エビとアボカドのサンドイッチと、チキンとレタスとチーズのサンドイッチ。 おいしいけど、お酒にもあう味なのが怖い。 てか悔しい! まるで私もお兄さんの笑顔に騙されて、手伝いを志願してしまったようで。 「そら、何か怒ってる?」 お兄さんも飲み干すと、心配そうに此方を除きこんだ。 入荷した花は、ほぼ売り切れ。 あとは、ネット注文のプレゼント用の花のアレンジメントだけ。 「お兄さん、予約いっぱいって言ってたけど、そんなに儲かってんの?」 「儲かってるって……」 苦笑いすると、また缶を1つ開けて、サンドイッチと共に飲み干す。 「秋は結婚式シーズンだからいつもより予約があるだけですよ。それに予約やスケジュールは響に任せっぱなしなんです。食事は静也が言わなくても用意してくれるし」 「なんとまぁ。そんなに綺麗だと世界はイージーモードで生活できるんだね」 そう言いつつ、お兄さんの手元を見て、目を見開いてしまった。 その缶、ノンアルコールじゃない。
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