第1話 

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「お兄さん……。ちょっと離れてくれる?」 ころんと簡単に沈んでしまった体を起こすが、すぐに引っ張られお兄さんの胸に引き寄せられた。 「キス、駄目?」 髪を撫でられながら、甘えられた。 「いや、そもそも私、名前『かおり』じゃないから」 「じゃあ、3人で愛し合いましょうか?」 「はい!?」 「僕には、君も響も手離せない大事な存在なんです」 お兄さんの瞳が、悲しげに揺れる。 それに見とれた瞬間、――油断してしまった。 かおり? 響? 3人? そんな単語が頭を過る中、 ベットに沈む体を抱き寄せられ、 花のように甘い香りが時間を狂わせながら、 私はお兄さんにキス、されていた――……。image=480655076.jpg
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