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「お兄さん……。ちょっと離れてくれる?」
ころんと簡単に沈んでしまった体を起こすが、すぐに引っ張られお兄さんの胸に引き寄せられた。
「キス、駄目?」
髪を撫でられながら、甘えられた。
「いや、そもそも私、名前『かおり』じゃないから」
「じゃあ、3人で愛し合いましょうか?」
「はい!?」
「僕には、君も響も手離せない大事な存在なんです」
お兄さんの瞳が、悲しげに揺れる。
それに見とれた瞬間、――油断してしまった。
かおり?
響?
3人?
そんな単語が頭を過る中、
ベットに沈む体を抱き寄せられ、
花のように甘い香りが時間を狂わせながら、
私はお兄さんにキス、されていた――……。
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