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「うわ……」
小さな三人家族が住む家だったはずが、
三階立ての花屋になってる!!
1階は吹き抜けのガラス張りで、綺麗に花のブーケのレプリカがいっぱい飾られてる。
「お兄さんって、確かラブホの社長令嬢と婚約してなかった!?」
「ああ。だから破格の慰謝料貰ったみてぇだ。
俺なら婚約破棄された野郎の花で結婚式なんか挙げたくねぇけどな。
あいつがデザインする結婚式のブーケが大人気で、予約殺到なんだとよ」
ガンっ
飲み干したグラスをテーブルに叩きつけながら、震えが止まらない。
私が元彼に十万奪われて姿消されて、
会社が倒産してのこのこ帰って来て、
したかった結婚式は真似されて、
家が駐車場になってるこんな時に、
――お兄さんはいつも涼しげに幸せそうに暮らしてるなんて!
なんかメチャクチャ悔しいんだけど?
「静也くん、スコッチのロック」
「は?」
「日本酒はその後ろの台にあるだけ? ウイスキーは?」
「そらちゃん?」
「良いから、飲ませてよ。やってらんないわよ」
このまま素で、お兄さんと会っても悪態しかつけない気がする。八つ当たりしそう。
だから酔って誤魔化したい。![image=480605203.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/480605203.jpg?width=800&format=jpg)
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