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そして…この一か月
次の席替えまでは、かなり重要だったって事を、
5日目にしてようやく気付く。
一学期に行われる文化祭の準備は班単位。
隣の席の横田くんが、違う班なわけが無くって、
机を向き合うようにして話し合いをした時は
合コンってこんな感じの席なのかな?
真面目にそんな事を考え、
横田くんは合コンに行ったら
どんな風に自己紹介するんだろう…と
空想の世界にトリップしていた。
この班は…
アタシの願いが届いたのか
6人中4人が男子で、
横田くんがドキドキしすぎないって事に
ホッとしていた。
男子の中で自然に息を吸い、
屈託も無く笑う横田くんの顔が
ホッとさせてくれて、
あー…やっぱりこの人…ゲイかも…って
アタシもそう思うほど、横田くんは自然だった。
そして、この班は…
このクラスで行われる喫茶店の看板を作るっていう
地味な作業を割り当てられた。
それはひとえに…横田くんの描く絵が上手いから、
レタリングする文字は職人か?ってほどだったから、
6人いる中で、戦力とされてるのは横田くんのみの
非常に緩い班だってことに、
下書きをしてくれた線に沿って色を塗ってる時に
アタシはようやく気付いた。
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