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3週間が経過して、 横田くんの描いていた看板が出来上がった。 空を見上げている構図になっていた。 地球は…丸いんだね。って、不意にそんな事を言いたくなるほどの まぁるい空が浮かんでいる。 そこには真っ白な雲が幾つも浮かんでて… その空には…羽音を立てて今飛び立った黄色い鳥。 その鳥が羽を休めていた木の枝は冬なのか 葉を一枚もつけたはおらず、 黒い枝。 細くて…鳥が飛び立った時に少ししなってしまうような、 少し頼りない枝が数本…空に手を伸ばしたように広がっている。 どうしてこんな絵にしたかは今年度の文化祭のサブタイトルが『飛翔』だったから。 ただな喫茶店だったから 自然な感じが良かった。 手作り感たっぷりのクッキーやパウンドケーキは、 なんちゃってメイド女子が運ぶと、 おいしそうだったし、 クラスの担任が すね毛を晒してミニスカートを履き 女子に用意されたウィッグを被って客引きをしてるのを見て、 アタシはお腹の底から笑った。 普段は…生徒指導のかっちかちのおっさん先生が、 この祭りって雰囲気に踊らされ、 生徒に強要されて、しぶしぶやってる感は有ったけど、 それでも、やったって事実は評価したいって アタシはお腹の底から…げらげらと笑った。
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