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一般公開を終えた教室。
アタシたちが絵筆を一生懸命動かしていた時と同じような顔をした教室が
お疲れ様って言ってくれているような気がして、
打ち上げと称してみんなが連なって行ったカラオケに
アタシは行かなかった。
明日には後夜祭の打ち上げで燃やされてしまうその絵の前に陣取って
体育座りをした。
掃除もしていないから砂埃の降り積もった床だったけど
アタシはためらいも無く座り込み
空を見上げるようにこの絵を見つめた。
森住くんや横田くんが塗った所はきれいに塗れているけど
アタシが塗った一番大きな白い雲は
不器用さが一面に押し出されてて少しぼこぼことしている。
でも、それを横田くんは嫌な顔をせずに、
「立体感が出てていい感じだよ。」って笑ってくれた。
初めて見たアタシへの笑顔は、
男子の中で楽しそうに話すときと同じ笑顔で、
緊張していますね…って言うほどの緊張感なんて
微塵も無かった。
あー…アタシは、この笑顔が好きなんだ…きっと。
何度目かの恋心の実感をした時に
初めてアタシは…横田くんと手を繋いだり、
楽しくお話をしたり、
冗談を言い合って肩を叩いたり…
自転車の二人乗りをしたり…
そう言う事をしたいと思うようになるまで変化していた。
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