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受験日を間近にして、 森住くんが学校を欠席した。 「どうしたかな?」 横田くんに問いかけると、 横田くんも見当がつかなかったらしく、 「連絡…入ってないんだよね…」ってぼんやりと 森住くんのいない席を見つめる。 担任の先生がHRの為に入室すると同時に 黒板の欠席者を書くスペースに 森住(インフル)と書きこんでいた。 その様子を見た後で横田くんの顔を見つめると、 困ったなって顔をして、私に笑いかけてくれた。 もう、新しい授業はほとんどなく、 進路を決めた人は、自由出席になりつつある毎日で、 こうして日参しているのは、 国公立狙いのギリギリ路線ばかり。 塾にシフトさせて、学校に来ない子もいる中で、 私たちは塾と並行させながらも学校に登校していたので、 誰が欠けても、心配で落ち着かなかった。
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