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囁くように言った言葉は、ちゃんとオレの耳に届いた。はにかんだ様な、恥ずかしがっているような。モゾモゾ動いて、しっくりくる位置を探す。
「・・・清香は?」
そんな清香の肩に顎を置いて、オレは聞く。答えなんて、何通りもあって、その中には、聞きたくないようなのまで列挙されてる。それなのに、オレを見上げると、清香は
「ふふ、どうかなぁ。」
なんて、笑って答えない。一瞬、頭を過ぎる。最悪の答え。そんなことあるはずがないのに。ちゃんと腕の中に清香がいるのに。でも、払拭できない。
「うわっ、清香、ヒドイ!!」
小さな言葉に疑う。
冗談でさえも、傷つく。
そんな自分が嫌だ。
ふざけて言って、さらっと流して、いつまでオレは笑っていられるだろうか。
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