第4話

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「嘘。大好き。」 オレの目を見て、真っ直ぐに見て、小さく呟いた。 それは、演技じゃない? 本当に、嘘じゃないって言える? 俺のこと、ちゃんと好きでいてくれてる? 女々しい考えばかりが頭の中を支配する。もう、それだけがグルグル回って、ただ離れたくないって、ただ渡したくないって、ただ、それだけ。本当に?本当に、清香は、オレのこと、好きでいてくれてるのかな。 不安で、不安で、仕方がない。 「本当に。」 グルグル同じ思考が、回る。清香が言った一言。また、‘顔に書いてあるよ’って。オレの心を読んだみたいに。オレの気持ちが解かるみたいに。 「誰にも渡さない。」 口にしたかもわからない。小さな決意。清香には、聞こえていたかもしれない。
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