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私を抱きしめて眠る浩くん。
すごく優しくて、背中を撫でる手が優しくて。
私を包み込んでくれる腕が、私を見てくれる瞳が、私を求めてくれる心が、浩君の感じている不安を表しているようで。
時折見せる揺らいだ表情が、なお更切なくさせる。
私は、抱きつく腕に力を込めた。
せめて、私の思いが、伝わるように。規則正しく聞こえる寝息。小さな子供をあやす様に、今度は私が背中を擦る。
さっきの顔が思い浮かぶ。
不自然に歪んだ悲しそうな瞳。
本当は、気づいているのかもしれない。
私は、どうすれば良かったのだろうか。
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