第5話

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昼間にやってるテレビ番組なんて、奥様御用達のワイドショーとか、昔のドラマとかしかやってない。時々、思い出したように、年末の特番が再放送されてたり。 もう、3月になるのに。 「いんや、やってねぇ。」 リモコンでカチャカチャとチャンネルを回してみても、これといって興味をひきつけられるものはなくて。 亮吾は、テレビの電源を切ると、テーブルにリモコンを置いた。 そして、後ろ、私の方を振り返る。 「まだ?」 ソファの背もたれに腕を乗せて、振り返った亮吾はまっすぐに私を捕らえる。ああやって、正面から見られるのは苦手。特に、亮吾には。一気に心拍数が上がる気がする。
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