第5話

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「お前のが、犬だろう。」 案の定、そう言われる。差し出したカップを受けとると、亮吾は私の座るスペースを開けてくれた。 「暖めておいたから。」 笑いながら、‘どうぞ’なんて手まで添えて、 「どうもぉ。」 私も、笑って、隣に座る。 右側に亮吾、左側に私。 それが定位置。決めたわけではないけれど、約束したわけではないけれど、自然とそうなった。気づけば、私は左側にいる。
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