10493人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
「ナツもシャワー浴びておいで」
「……うん」
そう答えながら、あたしはタカヤにしがみ付いている腕を解けない。
「今日は、やけに甘えるね」
「ごめんなさい」
だけど、もう少しこのままで。
タカヤは黙って、あたしの背中を抱いていた。
「土曜日は午後、迎えに来るよ」
「でも……」
「ナツはそのままで、俺を待っていればいい」
結局、あたしはタカヤに従うしかないのだ。
腕を解いてタカヤから離れる。
顔を上げると、タカヤの唇が近付いてくるところだった。
あたしは、その唇が触れる瞬間に瞳を閉じて、夢の続きに身を任せた。
最初のコメントを投稿しよう！